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行政法の用語には「許可」「特許」「認可」がある。漢字の印象から分類しようとすると、道路占用許可のような名前に引っかかりやすい。講学上の分類で考えると、名前よりも行政庁がもともとの法的地位に何を加えるのかが重要になる。
まず三つの働きを区別する
許可は一般的に禁止された行為を、一定の要件を満たした者について適法に行えるようにする。自動車の運転免許は典型例。特許は相手に新たな権利や特別な法的地位を設定する。道路占用許可は名称こそ「許可」だが、講学上は特許の例として扱われる。認可は私人の法律行為を補充して法律上の効力を完成させるもので、農地の権利移転についての許可が典型例として挙げられる。
法律に付けられた名称と講学上の分類は、常に同じ意味とは限らない。もっとも、この三分類だけで個別法の要件や法的効果が決まるわけではない。
附款は「いつ効くか」と「何をしなければならないか」に分ける
許可が与えられるとき、追加の定めが付されることがある。行政行為の附款だ。
「2027年4月1日から効力を生ずる」は始期(期限)。その日が来ることは確実だからだ。「資格試験に合格したときから効力を生ずる」は停止条件。合格するかどうかが不確実だからである。発生時期だけが不確実で、発生自体は確実な事実には不確定期限がありうる。
「毎月安全点検を行う」「午後10時以降は営業しない」は負担。前者は作為義務、後者は不作為義務である。負担違反があっても、当初の許可が当然に失効するとは限らない。後から撤回を検討することと、ある不確実な事実が起きた瞬間に効力が終了する解除条件とは区別しよう。
撤回権の留保と負担違反
撤回権の留保は、一定の場合に将来許可を撤回しうることを示す附款である。留保がなければ撤回が一切できない、という意味ではない。反対に、負担に違反しただけで元の許可が自動的に最初から無効になるわけでもない。要件と効果は個別法令・処分の内容を確認する必要がある。
行政庁が裁量を行使する処分には、根拠法令の趣旨と裁量の範囲内で適法な附款を付しうる場合がある。ただし「附款は常に自由」という理解も危険だ。
理解チェック
まず自分で答えを考え、各カードを開いて結論と根拠を確認する。
Q1「2027年4月1日から有効」と定めた附款は条件か期限か。
その日が到来することは確実。到来するかどうか自体が不確実なら条件を検討する。
Q2「毎月点検する」「22時以降に営業しない」は何という義務か。
点検は行為を要求し、営業時間制限は行為を禁止する。負担違反と自動失効を混同しない。
このノートは一般的な講学上の分類を整理したものです。個別の法令や処分に当てはめる際は規定を確認してください。