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ボルツァーノ–ワイエルシュトラスの定理

数列についての定理

$d\geq 1$とし、有限次元ユークリッド空間$\mathbb{R}^d$の有界な数列$(x_n)$を 考える。このとき$(x_n)$は収束する部分列を持つ。その極限は$\mathbb{R}^d$の点 であるが、数列の項のいずれかと一致するとは限らない。

数列に必要な仮定は有界性だけである。特に、数列の項全体からなる集合が閉集合 である必要はない。

証明

$x_n=(x_n^{(1)},\ldots,x_n^{(d)})$と書く。ユークリッドノルムに関して$(x_n)$が 有界なので、各座標の数列$(x_n^{(j)})$も実数上で有界である。

まず実数列の場合を確認する。有界な実数列は、ある閉区間$I_0$に含まれる。この 区間を二等分すると、二つの閉区間の少なくとも一方には、項の番号が無限個含ま れる。そのような半区間を$I_1$として選び、同じ操作を繰り返す。こうして

\[I_0\supseteq I_1\supseteq I_2\supseteq\cdots\]

を得る。各区間の長さは0に収束する。入れ子区間の定理により、これらの区間の 共通部分はただ一つの実数$a$からなる。$k$番目に選んだ項が$I_k$に入るように、 番号$n_k$を狭義単調増加となるよう選ぶ。$m\geq k$なら、$m$番目に選んだ項と$a$ はともに$I_k$に属するので、その距離は$I_k$の長さ以下である。区間の長さが0に 収束するため、この部分列は$a$に収束する。

この実数列の結果を$(x_n)$の第1座標に適用し、その座標が収束する部分列を取る。 次に、その部分列の第2座標に同じ結果を適用し、すべての座標について繰り返す。 座標は有限個なので、最終的にすべての座標が収束する一つの部分列$(x_{n_k})$が 得られる。各座標の極限を$a^{(j)}$とし、$a=(a^{(1)},\ldots,a^{(d)})$と置く。 後の段階でさらに部分列を取っても、すでに得られた座標の収束は保たれる。

任意の$\varepsilon>0$に対し、座標ごとの収束から、十分大きなすべての$k$と すべての$j$について$|x_{n_k}^{(j)}-a^{(j)}|<\varepsilon/\sqrt d$となる。したがって

\[\|x_{n_k}-a\|_2 =\sqrt{\sum_{j=1}^d|x_{n_k}^{(j)}-a^{(j)}|^2}<\varepsilon.\]

よって$x_{n_k}\to a$であり、定理が示された。

部分集合のコンパクト性

数列についての定理は、すべての有界部分集合がコンパクトであるという主張では ない。$K\subseteq\mathbb{R}^d$について、ハイネ–ボレルの定理は、$K$がコンパクト であることと、閉かつ有界であることが同値だと述べる。またユークリッド空間では、 これは$K$内のすべての数列が、$K$内の点に収束する部分列を持つという条件、すなわ ち点列コンパクト性とも同値である。

この集合についての定式化では閉性が重要である。たとえば$(0,1)$は有界だがコンパ クトではない。また、その中の数列$x_n=1/n$には、$(0,1)$内の点に収束する部分列が ない。ボルツァーノ–ワイエルシュトラスの定理そのものが主張するのは、 $\mathbb{R}^d$の有界な数列が、$\mathbb{R}^d$内で収束する部分列を持つことである。

参考文献

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