法律学習ノート

会社設立の定款――絶対的記載事項5つと発行可能株式総数のタイミング

会社法27条の絶対的記載事項と37条の発行可能株式総数・発起人全員の同意を学習例で整理。

目次

株式会社を設立するとき、「発行可能株式総数」は定款の絶対的記載事項に含まれるだろうか。ここでは最初に書く必要がある項目と、会社成立までに決めればよい項目を分けて覚えたい。

会社法27条の五つ

株式会社の定款には次の事項が必要である。

  1. 目的
  2. 商号
  3. 本店の所在地
  4. 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  5. 発起人の氏名または名称および住所

この五つが27条の絶対的記載事項。会社の設立に必要な基本情報である。

発行可能株式総数はどうなる

発行可能株式総数も会社の成立時までには定款に定められていなければならないが、最初の定款を作成する段階で未記載でも、会社成立の時までに発起人全員の同意で定款を変更して定めることができる(37条1項)。

したがって「発行可能株式総数も絶対的記載事項5つの一つ」と覚えるのは不正確である。試験では、定款作成時点と会社成立時点を入れ替える選択肢に気を付けたい。

37条2項は、当初すでに発行可能株式総数を定めている場合についても、会社成立時までの全員同意による定款変更を規定している。

定款の区分は三つ

法務省の設立手続案内では、定款の内容を絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項に分けて説明している。相対的記載事項は、記載しないとその事項の効力が生じないタイプで、例えば会社法28条の変態設立事項がある。

理解チェック

SELF CHECK · 2 QUESTIONS

まず自分で答えを考え、各カードを開いて結論と根拠を確認する。

Q1発行可能株式総数が当初の定款にない。会社成立時までに定める必要があるか。
必要

会社法37条。27条の絶対的記載事項5つには含まれないが、成立時までに定める。

Q2発起人が発行可能株式総数を後から定めるとき、多数決で足りるか。
発起人全員の同意が必要

会社法37条1項。設立手続の段階と要件を区別する。

条文:会社法26〜29条・37条。法務省「株式会社の設立手続(発起設立)」を併せて参照。